なかがわ 築地で天ぷらというと、「黒川」の独壇場であったが、2004年、「黒川」のライバルとなる超新星が築地に登場。 その名を「なかがわ」。 ご主人の中川氏は高校を卒業後すぐ、あの「みかわ」の早乙女氏に師事。 以来、一貫して早乙女氏の薫陶を受け、「みかわ」の天麩羅哲学を叩き込まれた一人である。 茅場町の本店では、早乙女氏に代わりランチの揚場に立ち、八丁堀・六本木ヒルズでは中心となって「みかわ」の看板を背負って、天麩羅を揚げていたというから、ある意味、その実力は折り紙つきであるといえよう。 この店の天ぷらの最大の特徴は、その油使いの上手さ! 下手な天麩羅屋だと、“香ばしさ”と“焦げ臭さ”を混同して閉口させられることもあるが、この店の天麩羅は、文字通り、“香ばしく”、“芳しく”、そして、食欲をそそることこの上ない。 風味作りの調味料としての油使いが、実に巧みなのである。 油の存在感を生かそうとすると、これまた、下手な天麩羅屋だと、くどさやしつこさにつながってしまうのだが、上質の綿実油と、淡炒の胡麻油を使い、軽く、もたれそうな気配すらさせないのも、見事としか言いようがない。 さて、このように賞賛の言葉を並べると、「では、黒川とどちらがお勧めか?」と訊きたくなるのが人の常。 それに対する自分の応えは“両方”である。 同じ天ぷらという料理でありながら、目指している天ぷらの方向が全然違うので、両者に優越をつけることは不可能。 今後、自分が行く場合でも、その日食べたい天ぷらのタイプで両店を使い分けすることになると思う。 是非、両店とも食べてみて、自分なりのお気に入りを見つけて欲しい。 [Shop Data] 住所:中央区築地2−14−2 電話:03−3546−7335 営業時間:11:30−13:30 17:00−22:00(LO21:00) 休み:月 メニュー: (昼)天丼 1200円 ランチ天麩羅定食 1200円 天麩羅定食 梅 4725円 (夜)天麩羅定食 松 7350円 竹 6090円 |